人気blogランキングへ
banner.png

2005年09月13日

経営の行動指針


経営の行動指針―土光語録

土光 敏夫

著者の土光氏については不勉強のためよく存じていなかったのですが、経歴がすごいです。
日本が誇る名経営者の一人に間違いありません。

本書も簡潔な言葉で、現代にも通じる真理をついています。
ビジネスや人間の本質はいつの時代も変わらないもので、極めた人のみがそれを知ることができるのだということが改めてよく分かりました。

タイトルには「経営」とついていますが、経営に関わらず、すべての人に役に立ちます。
100個の項目に整理されていますので、いつでもどこからでも読み返せて一生に手元に置いておきたくなる一冊でした。

64.穴を深く掘るには幅がいる
専門家が深く進むのは当然だが、狭くなるとは不可解だ。本当に深まるためには、隣接の領域に立ち入りながら、だんだん幅を広げてゆかねばならない。深さに比例して幅が必要になる。つまり真の専門化とは深く広くすることだ。そうして、この深く広くの極限が総合化になるのだ
いわゆるT字型人間のことですね。
大前研一氏はπ字型人間を勧め、堀紘一氏はT字の四角の面積を大きくすることを勧めています。
言い方は時代によって変わっても、やはり基本はT字ですね。
土光氏の例は非常に分かりやすいです。
自分に言い聞かせるのはもちろん、ほかの人に自己啓発を促すのにも使えそうです(笑)

47.有能な部下をかかえて放せぬ者は、無能といわれてもしかたがない
ところが、その返しっぷりがよくない。有能ならざるものから返してゆく。有能なものはあくまでも手許に温存したがる。
本来ならば、有能な部下から順に返しながら、後に続く人を育てるのが筋だろう。それがローテーションの原則である。
この言葉は目から鱗でした。
有能な部下が集まらずに嘆くことはよくあることですが、部下を育てる能力のなさを嘆いているようなものです。
如何に人を育てるかは常々考えていかないといけませんね。

92.さびつくより、すりきれるほうがまし
それでは、枯木に花を咲かせ続けるにはどうしたらよいか。それには、できるだけ多くの刺激を脳に与え続けることだ。頭を使う仕事なり趣味なりに打ち込むことだ。そういう良性のストレスを積極的につくりだすのである。
脳の使用していないところを刺激する、遊ぶ人ほど成功するのは今では常識です。
35年も前に今も通じる真理を独自の言葉で語れるのは、本質をつかんでいるからです。
だからこそ、本書にある100の言葉すべてに重みを感じます。
次に読むときには、別の言葉をじっくり噛み締めたいと思います。
posted by ミズモト at 23:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月05日

夢を力に


本田宗一郎夢を力に―私の履歴書

本田宗一郎

二輪車、自動車で世界的なブランドを構築し、ロボットや飛行機でさらに夢を追いつづけるホンダ(本田技研工業)のあり方はロマンを感じます。
創業者である本田宗一郎の死後も夢を追うのは、本田宗一郎のDNAが刻み込まれているからでしょう。
ホンダを見ていると、会社は創業者の分身であり、経営はロマンだとつくづく思います。

数年前に、東京ビックサイトでアシモを見たときは感動しました。
自動車の会社がロボットを開発していたという驚きと、スターウォーズのC-3POでインスパイアされた2足歩行ロボットが現実のものとなった感動で胸が一杯になりました。
ホンダの夢と人類の夢が一体になって実現した瞬間でした。

その後はソニーが2足歩行ロボットを発表したり、愛地球博ではトヨタが演奏するロボットを披露したりしていますが、原点はやはりホンダです。
本田宗一郎のDNAが夢の実現を切り開いているのです。
もう一つ、私はずいぶん無鉄砲な生き方をしてきたが、私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。99%は失敗の連続であった。そしてその実を結んだ1%の成功が現在の私である。その失敗の陰に、迷惑をかけた人たちのことを、私は決して忘却しないだろう。
謙遜もあるのかもしれませんが、本田宗一郎でさえも99%は失敗していると言っています。
私も含めて凡人はその失敗に耐え切れずに途中で挑戦を止めてしまうことがあります。
本田宗一郎は壮大な夢があったからこそ、99%もの失敗に耐え、ホンダという輝かしい結晶を作り上げたということを伝えたいのだと思いました。
“惚れて通えば千里も一里”という諺がある。
それくらい時間を超越し、自分の好きなものに打ち込めるようになったら、こんな楽しい人生はないんじゃないかな。
そうなるには、一人ひとりが、自分の得手不得手を包み隠さず、ハッキリ表明する。石は石でいいんですよ。ダイヤはダイヤでいいんです。
そして、監督者は部下の得意なものを早くつかんで、伸ばしてやる、適材適所へ配置してやる。
そうなりゃ、石もダイヤもみんなほんとうの宝になるよ。
 企業という船にさ
 宝である人間を乗せてさ
 舵を取るもの
 魯を漕ぐもの
 順風満帆
 大海原を
 和気あいあいと
 一つ目的に向かう
 こんな愉快な航海はないと思うよ。

posted by ミズモト at 08:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月28日

「儲かる仕組み」をつくりなさい


「儲かる仕組み」をつくりなさい----落ちこぼれ企業が「勝ち残る」ために

小山 昇

仕組みづくり、仕事を行なううえでもっとも重要で、もっとも差別化ができることであると思います。

楽天社長、三木谷氏の「成功のコンセプト」5か条の一つにも以下のものがあります。
 仮説→ 実行→ 検証→ 仕組み化
大きな仕事をする時には、常に意識しておくことです。

著者は日本経営品質賞を獲得したことでも分かるように、仕組みづくりの天才だと思われます。
私は、社員の資質に依存する経営はしません。必ず仕組みに依って立つ経営を志向します。
本書でもオリジナルの仕組みが惜しげもなく、公開されています。
自分のところですぐに応用できるかどうかは別にして、根本にある考え方は非常に参考になります。

コンセプトや実作業だけでなく、考え方を言語化してくれているということは貴重です。
抽象化されたノウハウを言語化することによって、ナレッジの共有が可能となります。
仕事のできる人、仕組みづくりのうまい人というのは、言語化するのが上手なのでしょうね。
これは換言すれば、「社長のコピーを何人つくれるか」が人材教育のミッションでもある。実際、社長のコピーがいればいるほど組織は堅牢になっていきます。

繰り返しますが、人間は失敗するからこそ学ぶのです。私は作為的に失敗を、痛い思いをさせることで人材を育てています。・秀な社員ほど数多く失敗させます。それは期待の裏返しでもあります。

何よりもまず目で見えるところを差別化すること。それが大切です。差別化は目で見て認識できなくては駄目です。これは他社との競争の基本です。前項で述べた環境整備は、何を、どのようにして「差」をつけるかを学ぶ作業です。

大切なのは「発生したこと」と「発生させた人」をわけて考えること、そしてその「発生したこと」を改善すること、そしてその「発生したこと」を改善することです。どうしてそれは発生したかを分析し、原因を追究する。それが問題を解決する仕組みとなります。

そこで再びロータリー発想をするとどうなるか。「最良の組織をつくって、それに人を張りつける」ことになります。どういう組織にするのが自社にとって最良かを考え、そしてだれを新しい組織の長にするかを考える。「人」にとらわれてさえいなければ「部長が一名不足なら、課長の中から引き上げれば良い」と発生できる。

「社員が業務マニュアルをつくらない」という話をよく聞きます。なぜつくらないか。その必要がないからです。仕事がわかっている社員にはマニュアルはいりませんから。そういう人にマニュアルをつくれと指示してもだれもつくらない。当たり前です。ところがこのように定期的に人事異動をすると、年を追うごとにマニュアルの精度が高くなります。
大事なのは、デキル人の考え方を自分のものにすることです。
考え方を共有しているからこそ、その人のやり方を採用して、応用をきかせることができるのです。

では、考え方を自分のものにするにはどうすればよいのか?
それは、常にアンテナを高くしておくことです。
その上で、本人の話を聞くこと、著書を読むこと、そして真似ることです。
大切なのは継続すること、そして「自社にとって良い」と思ったことは躊躇せず真似ることです。真似こそ最高の創造です。

世の中には完璧な仕組みはありません。だからこそ仕組みは常に改善し続けていかなくてはならないのです。
「真似」+「改善」が差別化への切り札です。
posted by ミズモト at 14:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月24日

夢を育てる


松下幸之助 夢を育てる―私の履歴書

松下 幸之助

松下幸之助氏が「経営の神様」と言われる所以がはっきりと分かりました。

松下幸之助といえば技術の人と考えがちで、もちろんそれは間違いではないですが、経営に対する思い入れの強さは並々ならぬものがあります。

フィリップス社との提携で技術導入料を支払う代わりに経営指導料を求めたくだりは圧巻です。
新会社は日本にある会社であるし、技術はあなたの方からもってくるけれども、経営の指導監督は一体だれがやるのかというと、松下電器でやる。だからあなたの方に技術指導料を出すことはよろしいが、経営指導料というものは松下電器がもらわないといかん

「経営は芸術(アート)である」という言葉が松下氏の思いを端的に表しています。
理論を導く経営学が盛んになりつつある中でのこの言葉は、著者の本質を見抜く力を感じます。
ここ10年ほどで右脳研究が盛んになりイメージングの重要性が叫ばれていますが、著者は数十年前に気づいていたということです。

著者の言葉はすべて本質をついています。
というより、読んでいて本質に気づかされます。
頂点を見極めた人ならではの言葉です。

事業部制や週休二日制の導入も、どう経営するべきかを本質論で考えてきた結果に思えます。
見えるものだけを見ていてはこれらの制度の発想は出てきません。
単純に考えると、休みが増えれば労働力が減りますよね。

どのようにして本質的思考法が培われたかは自伝から読み取るのは難しいです。
若いころの電灯会社での出世も異例なスピードだったというから、天性のものかもしれません。
しかし、ヒントはいくつか見つけました。

例えば、自転車屋で奉公をしていた17歳の頃から将来のことを一生懸命に考えています。
その時に自転車は衰退し電車や電気の時代が来ると信じます。
将来に対する目はともかく(自転車はのこっていますから)、10代で将来のことを考え抜いたこと、未来に対する自分なりの答え(ビジョン)を見つけたこと、自分のアイデアを持ち続けたことに成功者の考え方の基本がある気がします。

分かりやすい語り口で読む人に本質を気づかせる文章にこそ、「経営の神様」の真髄が滲み出ていました。
posted by ミズモト at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月22日

ガキの自叙伝


ガキの自叙伝

稲盛 和夫

稲盛氏の言葉は全てが心に残ります。
京セラを世界有数の優良企業とし、NTTと対等に渡り合えるKDDIを作り、盛和塾で数多くの若手経営者を育て、得度までした人生からは学ぶことがあまりにも多いです。

多くの偉業を成し遂げた稲盛氏の人生はすべて、若いときから抱いてきたフィロソフィーに端を発しています。
このフィロソフィーをたどっていくと、京セラの経営哲学にたどり着きます。

「人間として何が正しいかを追求する」

このことが京セラの経営哲学であるとともに、稲盛氏の思想の原点にあります。
経営というより、あたかも道徳家や宗教家の言葉のようです。

稲盛氏の言葉を追っていくと、心が洗われていきます。
自己の哲学を確立し、精神をまっすぐにするために、何度も読みたくなる自伝です。
哲学の古典に負けない、普遍性を持っています。
運命が逆境に向かっている時は、いくら善いことをしても、すぐに善い結果が現れないかもしれない。だが、何十年という長いスパンで見れば、善きことには、必ず善い報いが訪れる。また、どんなに幸運に恵まれ、得意絶頂の時でも、常に謙虚な心を忘れてはいけない。傲慢不遜になることは、自ら衰亡の原因をつくることになる。
波乱万丈の人生、どんな苦難や逆境に遭遇しようと、恨まず、嘆かず、腐らず、明るくポジティブに人生を受けとめ、素直に努力をすればよい。どんな運命に対しても、感謝の念を持ち、前向きに生きていくなら、道は必ず開けていくものだ。古希を迎えた今、そのことを実感している。

企業経営はトップが持つ哲学、理念によって大きく左右されると考えている。若手経営者にはトップとして持つべき「経営哲学」こそ伝えたい。トップの器が大きくなれば、会社も自然と発展すると確信している。

企業経営には、利益を追求するにあたって、人間として守るべき道がある。企業である限り、利益は必要だが、人を騙したり、おとしめたりする不正な方法では、企業が長年にわたって繁栄することはできない。

自由社会に生きる者は、社会正義と隣人愛に沿った行動をとらなければならない

それでも、このような大事業を始めるには、仲間の心を奮い立たせるような高邁な志がなければならない。私は自分の本心を確かめるため、毎晩ベッドに入る前に、「動機善なりや、私心なかりしか」と心の中で問いかけることにした。「世間に自分をよく見せたいというスタンドプレーではないか」「自分の名を残したいという私心がありはしないか」「国民の利益のためにという動機に一点の曇りもないか」。たとえ、酒を飲んで帰ろうと、毎日自問自答を繰り返した結果、世のため人のために尽くしたいという純粋な志が微動だにしないことを確かめた私は、この事業に乗り出す決心をした。

もし、自分の技術者としてのロマンを追うためだけに経営を進めれば、たとえ成功しても従業員を犠牲にして花を咲かせることになる。だが、会社には、もっと大切な目的があるはずだ。会社経営の最もベーシックな目的は、将来にわたって従業員やその家族の生活を守り、みんなの幸せを目指していくことでなければならない

今日一日一生懸命に生きれば、明日は自然に見えてくる。明日を一生懸命に生きれば、一週間が見えてくる。今月一生懸命に生きれば、来月が見えてくる。今年一生懸命に生きれば来年が見えてくる。その瞬間瞬間を全力で生きることが大切なんだ

心に残る言葉を取り上げたらきりがありません。
素直な心でこれらの言葉を受け入れ、自分のフィロソフィーを築き上げ、自分なりに再言語化していきたいと思っています。
posted by ミズモト at 23:17| Comment(1) | TrackBack(1) | 自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。