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2005年12月23日

ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る


ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る

ベルナール・アルノー

ルイ・ヴィトンやヘネシーなどの世界的ブランドを傘下におさめるアルノー氏、ブランド経営で彼の右に出るものはいません。

ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、フェンディ、ダナ・キャラン、ヘネシー、モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨン、タグ・ホイヤー、ロエベ、セリーヌ、DFS・・・。
ブランド名をあげたらきりがありません。
どれもが超一流で、どれもが個性的です。
それぞれの独立した個性を生かしながら、DFSや航空機内の免税店で全ブランドを効率よくマーケティングする手法は、まさに天才です。

ソニーは「ソニー」というコーポレートブランドで成功しています。ナイキも同じですね。
最近ではライブドアや楽天もそうです。
単一ブランドのほうが扱いやすく、成功しやすいのでしょう。

松下電器は「Panasonic」、「National」、「Technics」、「Victor」等のいくつかのブランドで、多くの関連会社を束ねています。
規模の大きさの割には統一がとれてうまくいっていたようですが、松下電器自身も混乱してブランドの見直しを行っています。

ソフトバンクは「Yahoo」ブランドを中心としていますが、傘下の会社にオリジナリティを持たせています。
LVMHに近いかもしれませんが、LVHMほど個々のブランドに魅力がなく、LVMHほどお互いをうまく活用できていません。

LVMHのような企業は他に見当たりませんが、強いて言えばGMでしょうか。
シボレー、コルベット、キャデラック、オペル、サーブ、ポンティアック、サターンと多くの個性的なブランドを抱えています。
ブランドが乱立して統制が取れなくなってきているのは、以前の松下電器と同じで、多くのブランドを統治するのはやはり難しいのでしょう。


めったにメディアには出ないアルノー氏ですから、本書は氏のことを知る数少ない文献です。
フランス人であることに誇りを持ちつつ、フランス人の特徴をアメリカ人との比較から客観的に捉えて経営に生かしていることがよく分かります。
アメリカのビジネス感覚とフランスのファッションの歴史をうまく融合しています。
異なる感覚のバランスをとることが、優れた経営者の共通するキーワードなのかもしれません。
確かにアメリカで生まれたブランドは強いですね。しかしたかだか20年、一世代の成功にすぎません。なかには確かに素晴らしいブランドもありますが、ディオールやルイ・ヴィトンのように神話的な存在感はありません。ディオールやヴィトンにはアメリカにはない歴史があります。それが夢を与えるのです。スポーツ系のブランドとは違いますよ。

企業にとって戦略は不可欠なものです。船の針路のようなものです。私の好きなセネカの名言は「行き先を知らぬ者に追い風は吹かない」と教えています。戦略があればこそ進むべき方向がわかり、ランクをあげられるのでしょうか。ディオールやヴィトンのようなブランドに責任を持つなら、競合企業の動向に目を向け、とるに足りないライバルは相手にしないことです。競争するより、自社製品のラインナップを拡大する方が賢明です。

だからこそ中央集権化を避け、中小企業の集合体にしました。しかし本当の問題は人材です。才能ある男性や女性を採用することが何よりも重要です。優秀な人材を発掘し、やる気を起こさせ、長く働いてもらうこと。そこに成功の秘訣があるのです。企業の規模の問題ではありません。

LVMHには、哲学があります。グループ全体の戦略に適用される基本方針があるのですが、簡単に列挙しましょう。高品質、創造性、ブランド・イメージ、企業精神、それに絶えず自問し最高をめざす意欲。この5つが、グループ全体を司る哲学の基礎となっています。

アメリカの場合は事情が異なります。同じ80年代から90年代初めにかけて多くのブランドが出現し、急成長を遂げました。アメリカ人はヨーロッパ人のブランドにも魅力を感じていますが、伝統に縛られるのは苦手なようです。アメリカでは激しい過当競争の結果、いくつかのサクセス・ストーリーが誕生しました。ヨーロッパとは反対の現象ですね。我々はブランドの伝統を守り、過去の栄光を再生させようとしているのです。
posted by ミズモト at 13:34| Comment(0) | TrackBack(1) | ブランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月02日

実況LIVE マーケティング実践講座


実況LIVE マーケティング実践講座

須藤 実和

この本の表紙に書いてある通り、「とにかくわかりやすい」です。(笑)

マーケティングはすべてのビジネスパーソンにとって必須です。
実際にマーケティング部門に関わっていない人にとってさえ、マーケティングを意識して活動することで仕事のアウトプットに付加価値を与えることができます。
製造部門であろうが、研究開発部門であろうが、人事部門であろうが、経理部門であろうが、必ず役に立ちます。
ただし、マーケティングの理論をどのように工夫するかはコツがいりそうです。
例えば、パーソナルブランディングにも役立つかもしれません。

マーケティングの教科書と言えば、コトラーの『マーケティング原理』が有名です。
ところが、これは非常に分量があります!
電車の中でさくっと読めて、エッセンスがぎっしりのものはないかなと思っていたら、この本に出会いました。
普段マーケティングにあまり関わっていない人やこれから関わる人にとっては非常に分かりやすいです。
具体的な商品をとりあげながら、マーケティングのさまざまな手法がよく理解できます。
最後にはサントリーのDAKARAを例にあげた演習問題まであって、自分の頭で考えて進められました。(しかも読んだ後に思わずDAKARAを買ってしまいました)

もちろんマーケティングの手法は理解できましたが、それよりも著者の定義するマーケティングの目的について非常に印象に残りました。
(私が不勉強なだけかもしれません。。。)
マーケティングとは、突きつめると、”顧客を魅了する(attract)する”活動であるといえます。そして、その難しさは、人の心の琴線に触れるというエモーショナルな側面と、きちっと持続的に成長し、利益を上げていくという合理的な側面を持ち合わせていなくてはならないところにあります。
したがって、感性とロジックをうまく組み合わせながら、自社の強みと顧客のニーズ(潜在ニーズ)をマッチさせる方法を探索することが重要です。
優れたマーケッターはマーケティング活動の醍醐味を”顧客のハートをつかんだことを実感した瞬間だ”と言います。

マーケティング活動とは、「顧客と企業の満足を両立させる良循環モデルを築く」ことともいえることがわかります。

企業の満足と顧客の満足は、一見、トレードオフの関係にあるものですが、マーケティング活動は、この2つを両立させることを狙うものです。

自分たちの思い込みで作ったものを売り込むのではなく、顧客が欲しいものを売る仕組みをつくる。それがマーケティング活動ということになります。
目的をしっかり抑えておけば理論におぼれることはありません。
「次工程をお客様」と考えれば、「顧客が欲しいものを売る仕組みをつくる」のはどんな仕事においても大切な考え方です。
ここに、マーケティングが活用できそうです。

周囲の人を”魅了する”人でありたいものです。
posted by ミズモト at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ブランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月16日

ジョブズの卒業祝賀スピーチ

Apple社CEOスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の2005年6月12日の卒業式で行った、祝賀スピーチが話題になっています。
ブログや電子メールで世界中に広まり、日本では、市村佐登美が翻訳しとむさとうが配信しています。

Apple社創立者であり、iMacやiPodでヒットを飛ばしてApple社再生の立役者でもあるジョブズ氏の言葉は、やはり胸に響くものがあります。
人生の点を大切に生きて、点と点を結んでいく生き方はジョブズ氏の生き方そのものですが、これまでの人生を振り返ってみると私(だけでなく万人)にもあてはまる生き方です。
「今を生きる」のが人生で一番大切なことですね。そして過去を未来につなげていく...。

実に感動的なスピーチでした。

Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)



ジョブズの卒業祝賀スピーチ
(2005年6月12日、スタンフォード大学)
原文URL:
http://slashdot.org/comments.pl?sid=152625&cid=12810404



 PART 1 BIRTH

 ありがとう。世界有数の最高学府を卒業される皆さんと、本日こうして晴れの門出に同席でき大変光栄です。実を言うと私は大学を出たことがないので、これが今までで最も大学卒業に近い経験ということになります。

 本日は皆さんに私自身の人生から得たストーリーを3つ紹介します。それだけです。どうってことないですよね、たった3つです。最初の話は、点と点を繋ぐというお話です。

 私はリード大学を半年で退学しました。が、本当にやめてしまうまで18ヶ月かそこらはまだ大学に居残って授業を聴講していました。じゃあ、なぜ辞めたんだ?ということになるんですけども、それは私が生まれる前の話に遡ります。
 私の生みの母親は若い未婚の院生で、私のことは生まれたらすぐ養子に出すと決めていました。育ての親は大卒でなくては、そう彼女は固く思い定めていたので、ある弁護士の夫婦が出産と同時に私を養子として引き取ることで手筈はすべて整っていたんですね。ところがいざ私がポンと出てしまうと最後のギリギリの土壇場になってやっぱり女の子が欲しいということになってしまった。で、養子縁組待ちのリストに名前が載っていた今の両親のところに夜も遅い時間に電話が行ったんです。「予定外の男の赤ちゃんが生まれてしまったんですけど、欲しいですか?」。彼らは「もちろん」と答えました。
 しかし、これは生みの母親も後で知ったことなんですが、二人のうち母親の方は大学なんか一度だって出ていないし父親に至っては高校もロクに出ていないわけです。そうと知った生みの母親は養子縁組の最終書類にサインを拒みました。そうして何ヶ月かが経って今の親が将来私を大学に行かせると約束したので、さすがの母親も態度を和らげた、といういきさつがありました。

               ◆◇◆

 PART 2 COLLEGE DROP-OUT

 こうして私の人生はスタートしました。やがて17年後、私は本当に大学に入るわけなんだけど、何も考えずにスタンフォード並みに学費の高いカレッジを選んでしまったもんだから労働者階級の親の稼ぎはすべて大学の学費に消えていくんですね。そうして6ヶ月も過ぎた頃には、私はもうそこに何の価値も見出せなくなっていた。自分が人生で何がやりたいのか私には全く分からなかったし、それを見つける手助けをどう大学がしてくれるのかも全く分からない。なのに自分はここにいて、親が生涯かけて貯めた金を残らず使い果たしている。だから退学を決めた。全てのことはうまく行くと信じてね。
 そりゃ当時はかなり怖かったですよ。ただ、今こうして振り返ってみると、あれは人生最良の決断だったと思えます。だって退学した瞬間から興味のない必修科目はもう採る必要がないから、そういうのは止めてしまって、その分もっともっと面白そうなクラスを聴講しにいけるんですからね。

 夢物語とは無縁の暮らしでした。寮に自分の持ち部屋がないから夜は友達の部屋の床に寝泊りさせてもらってたし、コーラの瓶を店に返すと5セント玉がもらえるんだけど、あれを貯めて食費に充てたりね。日曜の夜はいつも7マイル(11.2km)歩いて街を抜けると、ハーレクリシュナ寺院でやっとまともなメシにありつける、これが無茶苦茶旨くてね。
 しかし、こうして自分の興味と直感の赴くまま当時身につけたことの多くは、あとになって値札がつけられないぐらい価値のあるものだって分かってきたんだね。

 ひとつ具体的な話をしてみましょう。

               ◆◇◆

 PART 3 CONNECTING DOTS

 リード大学は、当時としてはおそらく国内最高水準のカリグラフィ教育を提供する大学でした。キャンパスのそれこそ至るところ、ポスター1枚から戸棚のひとつひとつに貼るラベルの1枚1枚まで美しい手書きのカリグラフィ(飾り文字)が施されていました。私は退学した身。もう普通のクラスには出なくていい。そこでとりあえずカリグラフィのクラスを採って、どうやったらそれができるのか勉強してみることに決めたんです。
 セリフをやってサンセリフの書体もやって、あとは活字の組み合わせに応じて字間を調整する手法を学んだり、素晴らしいフォントを実現するためには何が必要かを学んだり。それは美しく、歴史があり、科学では判別できない微妙なアートの要素を持つ世界で、いざ始めてみると私はすっかり夢中になってしまったんですね。

 こういったことは、どれも生きていく上で何ら実践の役に立ちそうのないものばかりです。だけど、それから10年経って最初のマッキントッシュ・コンピュータを設計する段になって、この時の経験が丸ごと私の中に蘇ってきたんですね。で、僕たちはその全てをマックの設計に組み込んだ。そうして完成したのは、美しいフォント機能を備えた世界初のコンピュータでした。
 もし私が大学であのコースひとつ寄り道していなかったら、マックには複数書体も字間調整フォントも入っていなかっただろうし、ウィンドウズはマックの単なるパクりに過ぎないので、パソコン全体で見回してもそうした機能を備えたパソコンは地上に1台として存在しなかったことになります。

 もし私がドロップアウト(退学)していなかったら、
 あのカリグラフィのクラスにはドロップイン(寄り道)していなかった。
 そして、パソコンには今あるような素晴らしいフォントが搭載されていなかった。

 もちろん大学にいた頃の私には、まだそんな先々のことまで読んで点と点を繋げてみることなんてできませんでしたよ。だけど10年後振り返ってみると、これほどまたハッキリクッキリ見えることもないわけで、そこなんだよね。もう一度言います。未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。自分の根性、運命、人生、カルマ…何でもいい、とにかく信じること。点と点が自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。結果、人と違う道を行くことになってもそれは同じ。信じることで全てのことは、間違いなく変わるんです。

               ◆◇◆

 PART 4 FIRED FROM APPLE

 2番目の話は、愛と敗北にまつわるお話です。
 私は幸運でした。自分が何をしたいのか、人生の早い段階で見つけることができた。実家のガレージでウォズとアップルを始めたのは、私が二十歳の時でした。がむしゃらに働いて10年後、アップルはガレージの我々たった二人の会社から従業員4千人以上の20億ドル企業になりました。そうして自分たちが出しうる最高の作品、マッキントッシュを発表してたった1年後、30回目の誕生日を迎えたその矢先に私は会社を、クビになったんです。
 自分が始めた会社だろ?どうしたらクビになるんだ?と思われるかもしれませんが、要するにこういうことです。アップルが大きくなったので私の右腕として会社を動かせる非常に有能な人間を雇った。そして最初の1年かそこらはうまく行った。けど互いの将来ビジョンにやがて亀裂が生じ始め、最後は物別れに終わってしまった。いざ決裂する段階になって取締役会議が彼に味方したので、齢30にして会社を追い出されたと、そういうことです。しかも私が会社を放逐されたことは当時大分騒がれたので、世の中の誰もが知っていた。
 自分が社会人生命の全てをかけて打ち込んできたものが消えたんですから、私はもうズタズタでした。数ヶ月はどうしたらいいのか本当に分からなかった。自分のせいで前の世代から受け継いだ起業家たちの業績が地に落ちた、自分は自分に渡されたバトンを落としてしまったんだ、そう感じました。このように最悪のかたちで全てを台無しにしてしまったことを詫びようと、デイヴィッド・パッカードとボブ・ノイスにも会いました。知る人ぞ知る著名な落伍者となったことで一時はシリコンヴァレーを離れることも考えたほどです。
 ところが、そうこうしているうちに少しずつ私の中で何かが見え始めてきたんです。私はまだ自分のやった仕事が好きでした。アップルでのイザコザはその気持ちをいささかも変えなかった。振られても、まだ好きなんですね。だからもう一度、一から出直してみることに決めたんです。

 その時は分からなかったのですが、やがてアップルをクビになったことは自分の人生最良の出来事だったのだ、ということが分かってきました。成功者であることの重み、それがビギナーであることの軽さに代わった。そして、あらゆる物事に対して前ほど自信も持てなくなった代わりに、自由になれたことで私はまた一つ、自分の人生で最もクリエイティブな時代の絶頂期に足を踏み出すことができたんですね。
 それに続く5年のうちに私はNeXTという会社を始め、ピクサーという会社を作り、素晴らしい女性と恋に落ち、彼女は私の妻になりました。
 ピクサーはやがてコンピュータ・アニメーションによる世界初の映画「トイ・ストーリー」を創り、今では世界で最も成功しているアニメーション・スタジオです。

 思いがけない方向に物事が運び、NeXTはアップルが買収し、私はアップルに復帰。NeXTで開発した技術は現在アップルが進める企業再生努力の中心にあります。ロレーヌと私は一緒に素晴らしい家庭を築いてきました。

 アップルをクビになっていなかったらこうした事は何ひとつ起こらなかった、私にはそう断言できます。そりゃひどい味の薬でしたよ。でも患者にはそれが必要なんだろうね。人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです。皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ
一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。まだ見つかってないなら探し続ければいい。落ち着いてしまっちゃ駄目です。心の問題と一緒でそういうのは見つかるとすぐピンとくるものだし、素晴らしい恋愛と同じで年を重ねるごとにどんどんどんどん良くなっていく。だから探し続けること。落ち着いてしまってはいけない。

               ◆◇◆

 PART 5 ABOUT DEATH

 3つ目は、死に関するお話です。
 私は17の時、こんなような言葉をどこかで読みました。確かこうです。
「来る日も来る日もこれが人生最後の日と思って生きるとしよう。そうすればいずれ必ず、間違いなくその通りになる日がくるだろう」。それは私にとって強烈な印象を与える言葉でした。そしてそれから現在に至るまで33年間、私は毎朝鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきました。「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」。それに対する答えが“NO”の日が幾日も続くと、そろそろ何かを変える必要があるなと、そう悟るわけです。
 自分が死と隣り合わせにあることを忘れずに思うこと。これは私がこれまで人生を左右する重大な選択を迫られた時には常に、決断を下す最も大きな手掛かりとなってくれました。何故なら、ありとあらゆる物事はほとんど全て…外部からの期待の全て、己のプライドの全て、屈辱や挫折に対する恐怖の全て…こういったものは我々が死んだ瞬間に全て、きれいサッパリ消え去っていく以外ないものだからです。そして後に残されるのは本当に大事なことだけ。自分もいつかは死ぬ。そのことを思い起こせば自分が何か失ってしまうんじゃないかという思考の落とし穴は回避できるし、これは私の知る限り最善の防御策です。
 君たちはもう素っ裸なんです。自分の心の赴くまま生きてならない理由など、何一つない。

               ◆◇◆

PART 6 DIAGNOSED WITH CANCER

 今から1年ほど前、私は癌と診断されました。 朝の7時半にスキャンを受けたところ、私のすい臓にクッキリと腫瘍が映っていたんですね。私はその時まで、すい臓が何かも知らなかった。
 医師たちは私に言いました。これは治療不能な癌の種別である、ほぼ断定していいと。生きて3ヶ月から6ヶ月、それ以上の寿命は望めないだろう、と。主治医は家に帰って仕事を片付けるよう、私に助言しました。これは医師の世界では「死に支度をしろ」という意味のコード(符牒)です。
 それはつまり、子どもたちに今後10年の間に言っておきたいことがあるのなら思いつく限り全て、なんとか今のうちに伝えておけ、ということです。たった数ヶ月でね。それはつまり自分の家族がなるべく楽な気持ちで対処できるよう万事しっかりケリをつけろ、ということです。それはつまり、さよならを告げる、ということです。

 私はその診断結果を丸1日抱えて過ごしました。そしてその日の夕方遅く、バイオプシー(生検)を受け、喉から内視鏡を突っ込んで中を診てもらったんですね。内視鏡は胃を通って腸内に入り、そこから医師たちはすい臓に針で穴を開け腫瘍の細胞を幾つか採取しました。私は鎮静剤を服用していたのでよく分からなかったんですが、その場に立ち会った妻から後で聞いた話によると、顕微鏡を覗いた医師が私の細胞を見た途端、急に泣き出したんだそうです。何故ならそれは、すい臓癌としては極めて稀な形状の腫瘍で、手術で直せる、そう分かったからなんです。こうして私は手術を受け、ありがたいことに今も元気です。

 これは私がこれまで生きてきた中で最も、死に際に近づいた経験ということになります。この先何十年かは、これ以上近い経験はないものと願いたいですけどね。

 以前の私にとって死は、意識すると役に立つことは立つんだけど純粋に頭の中の概念に過ぎませんでした。でも、あれを経験した今だから前より多少は確信を持って君たちに言えることなんだが、誰も死にたい人なんていないんだよね。天国に行きたいと願う人ですら、まさかそこに行くために死にたいとは思わない。にも関わらず死は我々みんなが共有する終着点なんだ。かつてそこから逃れられた人は誰一人としていない。そしてそれは、そうあるべきことだから、そういうことになっているんですよ。何故と言うなら、死はおそらく生が生んだ唯一無比の、最高の発明品だからです。それは生のチェンジエージェント、要するに古きものを一掃して新しきものに道筋を作っていく働きのあるものなんです。今この瞬間、新しきものと言ったらそれは他ならぬ君たちのことだ。しかしいつか遠くない将来、その君たちもだんだん古きものになっていって一掃される日が来る。とてもドラマチックな言い草で済まんけど、でもそれが紛れもない真実なんです。
 君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。ドグマという罠に、絡め取られてはいけない。それは他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくということだからね。その他大勢の意見の雑音に自分の内なる声、心、直感を掻き消されないことです。自分の内なる声、心、直感というのは、どうしたわけか君が本当になりたいことが何か、もうとっくの昔に知っているんだ。だからそれ以外のことは全て、二の次でいい。

               ◆◇◆

 PART 7 STAY HUNGRY, STAY FOOLISH

 私が若い頃、"The Whole Earth Catalogue(全地球カタログ)"というとんでもない出版物があって、同世代の間ではバイブルの一つになっていました。
 それはスチュアート・ブランドという男がここからそう遠くないメンローパークで製作したもので、彼の詩的なタッチが誌面を実に生き生きしたものに仕上げていました。時代は60年代後半。パソコンやデスクトップ印刷がまだ普及する前の話ですから、媒体は全てタイプライターとはさみ、ポラロイドカメラで作っていた。だけど、それはまるでグーグルが出る35年前の時代に遡って出されたグーグルのペーパーバック版とも言うべきもので、理想に輝き、使えるツールと偉大な概念がそれこそページの端から溢れ返っている、そんな印刷物でした。
 スチュアートと彼のチームはこの”The Whole Earth Catalogue”の発行を何度か重ね、コースを一通り走り切ってしまうと最終号を出した。それが70年代半ば。私はちょうど今の君たちと同じ年頃でした。
 最終号の背表紙には、まだ朝早い田舎道の写真が1枚ありました。君が冒険の好きなタイプならヒッチハイクの途上で一度は出会う、そんな田舎道の写真です。写真の下にはこんな言葉が書かれていました。「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」。それが断筆する彼らが最後に残した、お別れのメッセージでした。「Stay hungry, stay foolish.」 それからというもの私は常に自分自身そうありたいと願い続けてきた。そして今、卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、それを願って止みません。

Stay hungry, stay foolish.

ご清聴ありがとうございました。

the Stanford University Commencement address by
Steve Jobs
CEO, Apple Computer
CEO, Pixar Animation Studios

翻訳 市村佐登美

スタンフォード公式URL&録画映像
http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/videos/51.html
http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html
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2005年08月15日

ティッピング・ポイント


ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

マルコム グラッドウェル

なんらかの感染現象において、すべてが一気に変化する劇的な瞬間をティッピング・ポイントと呼んでいます。

あるとき突然、大きな変化が起きることはよくあります。
本や音楽や家電を始め、さまざまな商品が大きなブームを起こします。
任天堂のファミコンが娯楽の革命を起こしました。
Windows95の発売でPCの普及に弾みがつきました。
若貴ブームで大相撲が空前の人気となったこともありました。

これらの変化を意図的に起こすことができれば、商売がやりやすくなるのは間違いありません。
本書では多くの事例を元に、3つに分類しています。
これらの法則を踏まえれば、効率の良いマーケティングが展開できそうです。

原則1 少数者の法則
 媒介人(コネクター)、通人(メイブン)、セールスマンの口コミ

原則2 粘りの要素
 記憶に粘りつくメッセージ

原則3 背景の力
 環境の条件や特殊性


原則1のセールスマンは当然重要ですが、コネクターやメイブンといった口コミを広げる人々はもっと重要です。
多くの知人を持っていて、新しい情報を伝えたがる人は確かに存在します。
自分が多くの知人を持ち、コネクターになってしまえば話は早いのですが、コネクターを見つけ出すことができればよいわけです。

友人を3人たどればコネクターにたどり着くそうです。
どのような友人をたどり、誰がコネクターかを直感的に見極めること、このあたりに人脈作りのヒントが隠されているような気がします。

また、ティッピング・ポイントはマーケティングの世界だけでなく、自分自身の学習にも当てはまるような気がします。
学習曲線はあるときをきっかけに急カーブを描くことがよくあります。
その「あるとき」がまさにティッピング・ポイントだといえます。
そのきっかけは、人の助言だったり、粘り強い反復だったり、環境だったりするわけで、3原則そのままです。

このティッピング・ポイントの考え方を、つぼを押さえた行動の指針にしたいものです。
もちろんそのままビジネスに生かせれば最高ですね。
ちなみに、神田昌典氏が『口コミ伝染病』で実践的なノウハウを公開しています。

3原則とは別に「150の原則」が紹介されています。
集団が150人を超えたときに大規模な変化が生じるというものです。
この原則を知ったときに、船井幸雄氏が紹介した「100匹目の猿現象」を思い出しました。
100か150かという具体的な数字は別にして、この数字を大まかにおさえておくと後々役に立ちそうな予感がしています。
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2005年07月05日

パーソナルブランディング


パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す

ピーター・モントヤ

タイトルを見て自己啓発系かと思いましたが、実践的なマーケティングについてでした。
しかも個人を売り出すためのマーケティングです。視点が斬新です。

私も常々「自分ブランド」の構築を考えています。まさに本書はこの考え方にぴったりです。
実践的で行動に落とし込みやすいです。

セルフブランディングの基礎を固めていくと、「人脈作り」でつまずくような気がします。
本を読んだり思索に耽ったりセミナーに行くことは「一人で」できるのですが、「人脈」は相手があってのものです。

人脈作り=ネットワーキングのヒントを本書に見つけました!
「ネットワーキングの秘訣」
・継続的なネットワーキング
・機会をとらえることができるようなポジションに自分を置く
・ただ知り合いになるだけでいい
・人の話を聞く
・ブランディング資料を持ち歩く
・興味を示す
・積極性を持つ

「ネットワークにレバレッジをかける」
・迅速なフォローアップ
・連絡を取り続ける
・自分の信頼を築くようなことはすべて知らせる
・コミュニティを築き上げる
・等身大であれ
よく目にするヒントもありますが、目新しいものもありますね。
例えば、「ただ知り合いになるだけでいい」となると人脈作りも気楽に考えられます。

もちろん、人脈を作る前に自分を磨いておく必要があります。
次は自分磨きのノウハウを本書から探しながら読んでみます。
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2005年06月13日

風姿花伝


風姿花伝

世阿弥

何百年も前の芸能書である本書は古文でありますが、何度も何度も繰り返して読んでみると世阿弥の言わんとしていること(=本質)が見えてきます。本を読むということ、コミュニケーションを得るということは単なる言葉以上の何かがあるようです。外国語についても同じ気がします。

さて、本書でもっとも有名なのは以下の箇所でしょう。
祕する花を知る事。祕すれば花なり、祕せずば花なるべからず、となり。この分け目を知る事、肝要の花なり。
ここで言うはその道を究め舞台で輝いていることを指すのだと解釈できます。現代で言うセルフブランディングに通じるものがあります。
として、ビジネスの世界でプロフェッショナルとして生きていくには誰にも負けないスキル・ノウハウを持つことです。努力して得たノウハウは、他の人からしてみれば「」となります。
しかし、その優位性を自覚していなければ役に立ちません。すなわち「この分け目を知る事、肝要の花なり」です。

になるということは、自身のコア・コンピテンスを見つけ戦略的に活用していくということではないでしょうか。

芸能以外の分野への応用・解釈もさまざまにできると思います。次は別の視点や他の箇所を掘り下げて読んでいきます。
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2005年06月09日

休日にじっくり読む「孫子」


休日にじっくり読む「孫子」―必ず勝つ大人の戦い方

中島 孝志

「孫子」は世界最古のビジネス書とも言えます。ただ時代が違いすぎるのか、簡潔すぎるのか理解しがたいところもあります。例えば武田信玄の「風林火山」でも有名なフレーズ。
迅きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵略すること火の如く、動かざること山の如し
行動のあり方を説いたものですが言い回しが何とも絶妙ですぐに覚えられてしまいますが、特に詳しい説明はありません。エッセンスを凝縮しつくしている感じです。

「孫子」は戦略について書かれていることは有名ですが、言わんとしているところを何とか理解してもビジネスにどう結び付けるかがまた難しいです。(私の読解力不足のせいかもしれませんが。。。)
百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり
言っていることは分かるのですが、いざ実行するとなると困難で、戦争とビジネスは違うものだと自分に弁解してたりします。反省してます。

本書では「孫子」とビジネスをうまく結び付けています。膨大なビジネス書を読んできた中島氏の読解力と知識背景が活かされています。この後、「孫子」を改めて読んでみようという気になってきました。この単純な思考は私の誇れる点だと思っています。

特にリーダーについては孫子、中島氏から吸収できるものが多かったです。
はじめは処女の如く、終わりは脱兎の如く

いまの時代、朝令暮改はなんら非難されるべきことではない。非難されるどころか、誉められるべきことである。それほど、あらゆる分野でスピードが早く、また変化が激しくなっているのである

三軍の衆を聚めてこれを険に投ずるは、これ軍に将たるのことなり。九地の変、屈伸の利、人情の理、察せざるべからざるなり

リーダーが心すべきことは後ろから部下がついてくることである。
「この人についていきたい」と思わせるだけの判断をすること、そして揺るぎない自信を持つことである


次は「孫子」に挑戦!
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2005年05月23日

知価革命


知価革命―工業社会が終わる 知価社会が始まる

堺屋 太一

先見の明には定評のある堺屋氏ですが、本書で予測された未来もすばらしいです。バブル期前に工業社会から「次なる社会」を大胆に予測しています。物財(モノ)を中心とした経済から「知恵の値打ち」(=知価)を創造する社会に変わるというものです。現在のブランドやソフトウェア産業、ライセンスビジネス、情報革命等を予感させています。

しかし、見るべきは堺屋氏の予測した未来の検証ではなく、氏の視点・思考法にありました。
1万年もの歴史を俯瞰し、古代・中世・近代といった文明の節目における人間の意識にフォーカスしています。現代では当たり前と考えられていること(例えば等価交換)も、時代が変わるとそうではないことをあげて、未来は現代の延長上には考えていません。前提を疑ってかかるゼロベース思考と歴史の大きな流れを見る大局観が随所に見られます。

堺屋氏のこの思考法を見習って、少しでも自分のものとしていきたいものです。

今から20年前の本ですが、知価社会の考え方は今でも通用します。
それ以上に歴史を見る目を学べるところに大きな価値を見出せる一冊です。
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2005年05月18日

ブランド・マネジメント


ブランド・マネジメント ハーバード・ビジネス・レビュー・ブックス

Harvard Business Review (編集)

世界屈指のビジネススクールとして名高いハーバード・ビジネススクールが、ブランドに関する論文を集めたものが本書です。さすがに全ての論文が格調高いです。ハーバード・ビジネススクールらしく、ケーススタディもついています。脳に汗をかきながら読みましょう。

論文は比較的コンパクトにまとめられており、デイビット・A・アーカーをはじめ多数の著者が投稿しています。このことのメリットは、ブランドが多・な視点から分析・解説がされるため、一気に視野が広がります。いわゆるシントピック・リーディングの効果ですね。もちろん論文はハーバード・ビジネス・レビュー・ブックスの目にかなったもののみですが。

特にプライベート・ブランドの考察が印象的でした。ここ数年スーパーで安いPBをよく見かけます。不況の影響もあるのでしょうが、安くて大手の信頼もあるPBはやはり魅力です。企業もPBに力を入れたがるのも仕方がないのかもしれません。しかし著者はPBは「やるな」と断言しています。これには私も賛成です。低価格を売りにしたブランドは過当な価格競争に陥るのが落ちで、何のためにブランディングを行っているのか分からなくなってしまいます。何のためにブランドを構築するのかを明確にしておかないと、経営判断も曖昧となってしまう気がします。もちろん顧客のために低価格を打ち遜してブランドを築くというポリシーを持っているならその限りではありません。ウォールマートがその好例でしょうか。

ブランドをいろいろな観点から扱っていて、一つ一つの論文はよくまとまっています。ブランド論を研究し始めた人には絶好の教科書となりそうです。
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2005年05月09日

スターバックス成功物語


スターバックス成功物語

ハワード シュルツ, ドリー・ジョーンズ ヤング

スターバックスのCEO、ハワード・シュルツ氏の魂を感じました。スターバックスが近年でもっとも成功したブランドの一つとなったのは、彼の信念・理念があったからに他なりません。ブランドには経営者の強い想いが欠かせないのですね。

シュルツ氏が特に意識していることが、社員を大切にすることです。スターバックスは株主のものではなく、社員のものと断言しています。福利厚生も他社よりも高い水準を維持しています。このことが、顧客の期待に応え喜んでもらうことにつながると信じて、実践しています。理屈は簡単ですが、株主からの干渉や一時的な利益(コストカット)に惑わされることがないのは、さすがです。しっかりとした信念を強い意志で貫くことが一流企業家としての条件なのでしょう。

昨年ユナイテッド航空に乗ったときにスターバックスのコーヒーが出てきたときは、とても喜んだのを覚えています。これからも理念を失うことなく、おいしいコーヒーと気持ちのいい雰囲気を広げて行ってくれることを願っています。

※ 最近はタリーズのコーヒーを愛飲しているのですが、この本を読んでこのブログを書いているうちに無性にスターバックスのカフェラテが飲みたくなってきました(笑)
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2005年05月03日

なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?

なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?
なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?

Scott Bedbury

タイトルがストレートでいいです。確かにスターバックスは行きたくなります。本当においしいのとショップの雰囲気で行きたくさせられます。基本理念を貫いてブランド構築した結果なのでしょう。

「ブランド」については独自の解説がされています。
ブランドは、上手な戦略、下手な戦略、合格点以下の戦略、問題外の戦略の総和である。ブランドは、最高の商品によって定義されると同時に、最低の商品によっても定義される。秀逸な広告によって定義されると同時に、何かの間違いで企画が通り当然のように忘却のかなたへ沈んでいった最悪の広告によっても定義される。もっとも優秀なスター社員の業績によって定義されると同時に、最低の社員がしでかした失敗によっても定義される。受付嬢によっても定義される。電話で待たされる顧客の耳に届く保留メロディによっても定義される。CEOがいかに周到に用意された絢爛たる声明を読みあげようとも、廊下の立ち話やインターネットのチャットルームで顧客がぶちまけた嘲笑的なコメントによってブランドは定義されてしまう。ブランドは、内容を、イメージを、あるいは一瞬の感情を吸い取るスポンジのようなものだ。それは人々の記憶に焼きついた心理的概念となり、そのまま永久に残るかもしれない。ブランドを完全にコントロールすることはできない。せいぜい、方向づけたり影響を及ぼしたりすることができるだけだ。

ところで、著者のベトベリ氏はスターバックスの前はナイキでブランド構築に携わっていたとか。まさに「ブランド狂」、いや「ブランドの神様」ですね。すごい人だ。
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2005年01月04日

ブランド・リーダーシップ その2

前回に続いて『ブランド・リーダーシップ―「見えない企業資産」の構築』です。
ブランド・リーダーシップ―「見えない企業資産」の構築

ブランド・アイデンティティを明確にしたら、ブランド体系を確立していきます。続きを読む
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2005年01月02日

ブランド・リーダーシップ―「見えない企業資産」の構築

本日はブランドの権威、デービッド・A・アーカーの『ブランド・リーダーシップ―「見えない企業資産」の構築』に挑戦です。
ブランド・リーダーシップ―「見えない企業資産」の構築

3部作の完結編にあたるそうですが、ブランド・リーダーシップという戦略については本書だけで完結しています。他2作は後日また取り上げます。続きを読む
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2004年12月31日

「売れるブランド」のつくり方

本日は『「売れるブランド」のつくり方』です。
「売れるブランド」のつくり方

ブランディングの仕事の現場からブランドについて書かれています。続きを読む
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2004年12月19日

ブランド大繁盛

本日は堺屋太一氏の「ブランド大繁盛」について。
ブランド大繁盛

堺屋太一というと通産省・経済企画庁長官といった官僚・政治家のイメージや歴史作家という印象だったのですが、ブランドについても本を書かれていたのですね。しかもものすごく分かりやすいです。続きを読む
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2004年12月17日

探求 メジャーブランドへの道

今日は「探求 メジャーブランドへの道」です。
探求 メジャーブランドへの道

オレンジの表紙が素敵です。ブランド本はデザインにも気を使うのですね。ブランドについて丁寧に解説されています。『もっと早く受けてみたかった「ブランドの授業」―「本当の価値」はどのように創られるのか?』『利益重視型マーケティングBRM〜「人口減少」時代の新しい売り方〜』のようなクセはなく万人にとって好感が持てるでしょう。続きを読む
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2004年12月09日

利益重視型マーケティングBRM

本日は「利益重視型マーケティングBRM」について。
利益重視型マーケティングBRM〜「人口減少」時代の新しい売り方〜

表紙も印象的ですが、BRM(Brand Relationship Management)って何でしょう。気になりますね。
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2004年12月08日

もっと早く受けてみたかった「ブランドの授業」

今回も入門書をとりあげます。阪本啓一氏の「もっと早く受けてみたかったブランドの授業」です。
もっと早く受けてみたかった「ブランドの授業」―「本当の価値」はどのように創られるのか?

これは本当に入門書です。非常に分かりやすい切り口から説明されていますので、全くのブランド素人や分厚い本を読むのが苦手という人には最適です。あまりにさくさく読めるので、細かい理屈が好きな人には物足りない気もするかもしれませんが、新人向けの授業ということで割り切りましょう(笑)
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2004年12月02日

企業を高めるブランド戦略

ブランド戦略論の入門書として「企業を高めるブランド戦略」を読んでみました。
企業を高めるブランド戦略

新書なので持ち運びが楽 = どこでも読みやすい、ブランドの基本がとっても分かりやすく書かれている、ということでブランド論を学びたい人にとってはとっつきやすいです。まさに入門書です。続きを読む
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2004年11月27日

ブランディング22の法則

今回はAl Riesの「ブランディング22の法則」についてです。
ブランディング22の法則

筆者の経験を元にブランドが22の法則に分類されています。それぞれの法則について具体的な事例を挙げながら分かりやすく説明されていますので、初心者でも直感的に読み進められます。続きを読む
posted by ミズモト at 23:37| Comment(0) | TrackBack(3) | ブランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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