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2005年10月09日

プロフェッショナリズムの覚醒


プロフェッショナリズムの覚醒―トランスフォーメーション・リーダーシップ

倉重 英樹

企業にプロフェッショナリズムを植えつける「変革」への強い意志が力強く伝わってきます。
赤字のPWCを日本有数のコンサルティング会社に変革し、今では日本IBMをコンサルティング部門の立場からリードする存在にした実績は比類ないものです。
著者のその経験を、自分の考えと実際にとった行動を丁寧に書かれていますので、非常に勉強になりました。
プロ野球のチームに特徴的なこととして、次の5つが挙げられると思う。
 まず1つめの特徴は、個々の選手が自分の能力を発揮する領域が明確になっていることだ。そして、選手がそれぞれの強みを発揮することが、チームの強さにつながっている。
 次に2つめの特徴として、強みを発揮できない選手は活躍の場を得られないし、収入も増えない。そのことを選手たちも自覚しているので、強みを維持・強化するために厳しいトレーニングを自らに課している。
 3つめの特徴は、試合は厳しいルールの下で行われ、戦い方は監督の考えで決められるが、そのなかでプレーは選手の自由裁量に任されているということだ。したがってプレーに選手の考え方や個性が表れる。つまり、選手は監督が示す戦略を理解したうえで、自ら判断して自らベストな行動をとるのである。
 4つめの特徴は、全員が業績で評価され、その評価項目と評価基準がオープンになっていることだ。
 5つめの特徴は、優秀な選手ほどチームに対して貢献しようとする意識が強いということだ。彼らは、チームという場で最高のパフォーマンスを出すことに全力を挙げる。その場がなければ、自分の能力を発揮できないことを知っているからだ。
プロフェッショナルという言葉は野球やサッカーなどのスポーツの世界だけのものではありません。
あらゆる業種のビジネスパースンもプロであるべきです。
個々の意識が重要になります。
しかし、企業全体から見れば、プロ意識をもった人もいますが、そうでない人も多くいるのが実態です。
そうした中にプロ意識を植え付けるには、プロ野球の持つ5つの特徴をもつ環境を整えることが必要条件になってきますが、それが非常に難しい。

倉重氏はPWCで、人材育成を意識したチーム制、エンパワーメント(権限委譲)、ナレッジ・マネージメント、業績重視の人事制度への転換といった「変革」を次から次へと進めていきました。
この過程で重要なのは、あるべき姿を描いてビジョン先行で変革を進めたことです。
場当たり的に既存のシステムに少しずつ手を加えて、返って複雑な組織をつくってしまったら失敗です。
また、変革も人がついてこなければ意味がありません。
私は彼らに、過去のあらざがしをする気はないこと、変革はPWCが前進するために必要な「手術」であることを前置きして、変革のビジョンや具体的なプラン、プロセスを事細かに説明した。むろん、彼らの意見も十分に聞き、プランの修正に反映させていった。私はこの説得プロセスに労を惜しむ気はなかった。彼らの納得と共感が得られなければ、変革は成功しないと思っていたからだ。賛成と反対の境界をあいまいにしたまま動きだせば、中途半端な結果にしかならない。それはいちばん避けなければいけない。彼らが自らの意思で会社を変える。そこまで社員をモチベートすることが現段階で私の責務だと決めていた。

大きなビジョンを持ち、実際にすばらしい変革を起こした倉重氏からは、目を覚まさせられる言葉がどんどん出ています。
組織としてどうあるべきか、だけでなく、個々がどうあるべきかも同時に考えていかなくてはいけません。
組織でも個々でも、あるべき姿を描いて変革を進めていくという点では共通点があります。
組織論が個々に応用でき、個々の自己啓発の考え方が組織にも応用できます。
今日のように企業変革が大きなテーマとなる時代には、トップは社員が魅力を感じられる会社のあるべき姿を描き、それに向けてみんなをファシリテートできるリーダーでなければならない。これは日本人の比較的弱いところだと言われているが、そうした能力を自己開発することもトップの責任だと思う。
われわれはどうしても現状から将来を見たがるが、反対に将来から現在を俯瞰してビジョンを描くほうがよい。将来こういう世界の環境がある、そのなかで当社はどうあるべきかという見方もできるのだ。現状にとらわれることなく、とにかく未来の環境のなかに自社を置いてみる。そして、そこで何がうまくいき、何がうまくいかないのかをじっくり考えるのだ。

大切なことは、どうなるかではなく、どうしたいか、どう変わりたいかだ。まずはそれをとにかく表明して、みんなを引っ張っていく。極端に言えば、実現するかどうかは、結果任せでもいいのである。

いまは、あるべき未来像をビジョンとして描き、その実現に向けて突き進んでいかなければならない時代だ。それができない企業は淘汰されるのを待つしかない。唯我独尊でもよいから、とにかくビジョンを描いてみる。そして社員をファシリテートして引っ張っていく。途中でおかしいと思ったら、いつでも変えればいいのだ。初めから100点満点のビジョンが描けるほど、今日の企業環境は単純ではない。試行錯誤は当然なのだ。

これから先のリーダーは、強い意志力と、良い意味でのいい加減さを併せ持っていかなければならない。単なる優等生では絶対に務まらないのである。

トップは、未来の問題を考えることにもっと時間を費やさなくてはならない。

「自分がやるべきことはこれだと思っています」といつでも説明できることは、1つのアカウンタビリティだと思う。さまざまな局面で自分のやるべきことを見つけていくことは簡単ではないが、いかなる局面にあっても、いま自分がやるべきことをわかっている人は周りから見ていて頼もしいものだ。だから、自分がやるべきことを見つけて実行する努力を常に心がけてほしい。それが自分をつくっていくことにつながるのである。
"Enjoy Business As a Game" 失敗を恐れず、一緒に挑戦し続けよう。

マインドに刺激を与えてくれるすばらしい本でした。
著者のような人物になることを理想に、ますますスキルを磨いていこうと再決心しました。

"Enjoy Business As a Game" 失敗を恐れず、一緒に挑戦し続けよう。
posted by ミズモト at 10:58| Comment(0) | TrackBack(2) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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