人気blogランキングへ
banner.png

2005年12月23日

ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る


ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る

ベルナール・アルノー

ルイ・ヴィトンやヘネシーなどの世界的ブランドを傘下におさめるアルノー氏、ブランド経営で彼の右に出るものはいません。

ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、フェンディ、ダナ・キャラン、ヘネシー、モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨン、タグ・ホイヤー、ロエベ、セリーヌ、DFS・・・。
ブランド名をあげたらきりがありません。
どれもが超一流で、どれもが個性的です。
それぞれの独立した個性を生かしながら、DFSや航空機内の免税店で全ブランドを効率よくマーケティングする手法は、まさに天才です。

ソニーは「ソニー」というコーポレートブランドで成功しています。ナイキも同じですね。
最近ではライブドアや楽天もそうです。
単一ブランドのほうが扱いやすく、成功しやすいのでしょう。

松下電器は「Panasonic」、「National」、「Technics」、「Victor」等のいくつかのブランドで、多くの関連会社を束ねています。
規模の大きさの割には統一がとれてうまくいっていたようですが、松下電器自身も混乱してブランドの見直しを行っています。

ソフトバンクは「Yahoo」ブランドを中心としていますが、傘下の会社にオリジナリティを持たせています。
LVMHに近いかもしれませんが、LVHMほど個々のブランドに魅力がなく、LVMHほどお互いをうまく活用できていません。

LVMHのような企業は他に見当たりませんが、強いて言えばGMでしょうか。
シボレー、コルベット、キャデラック、オペル、サーブ、ポンティアック、サターンと多くの個性的なブランドを抱えています。
ブランドが乱立して統制が取れなくなってきているのは、以前の松下電器と同じで、多くのブランドを統治するのはやはり難しいのでしょう。


めったにメディアには出ないアルノー氏ですから、本書は氏のことを知る数少ない文献です。
フランス人であることに誇りを持ちつつ、フランス人の特徴をアメリカ人との比較から客観的に捉えて経営に生かしていることがよく分かります。
アメリカのビジネス感覚とフランスのファッションの歴史をうまく融合しています。
異なる感覚のバランスをとることが、優れた経営者の共通するキーワードなのかもしれません。
確かにアメリカで生まれたブランドは強いですね。しかしたかだか20年、一世代の成功にすぎません。なかには確かに素晴らしいブランドもありますが、ディオールやルイ・ヴィトンのように神話的な存在感はありません。ディオールやヴィトンにはアメリカにはない歴史があります。それが夢を与えるのです。スポーツ系のブランドとは違いますよ。

企業にとって戦略は不可欠なものです。船の針路のようなものです。私の好きなセネカの名言は「行き先を知らぬ者に追い風は吹かない」と教えています。戦略があればこそ進むべき方向がわかり、ランクをあげられるのでしょうか。ディオールやヴィトンのようなブランドに責任を持つなら、競合企業の動向に目を向け、とるに足りないライバルは相手にしないことです。競争するより、自社製品のラインナップを拡大する方が賢明です。

だからこそ中央集権化を避け、中小企業の集合体にしました。しかし本当の問題は人材です。才能ある男性や女性を採用することが何よりも重要です。優秀な人材を発掘し、やる気を起こさせ、長く働いてもらうこと。そこに成功の秘訣があるのです。企業の規模の問題ではありません。

LVMHには、哲学があります。グループ全体の戦略に適用される基本方針があるのですが、簡単に列挙しましょう。高品質、創造性、ブランド・イメージ、企業精神、それに絶えず自問し最高をめざす意欲。この5つが、グループ全体を司る哲学の基礎となっています。

アメリカの場合は事情が異なります。同じ80年代から90年代初めにかけて多くのブランドが出現し、急成長を遂げました。アメリカ人はヨーロッパ人のブランドにも魅力を感じていますが、伝統に縛られるのは苦手なようです。アメリカでは激しい過当競争の結果、いくつかのサクセス・ストーリーが誕生しました。ヨーロッパとは反対の現象ですね。我々はブランドの伝統を守り、過去の栄光を再生させようとしているのです。
posted by ミズモト at 13:34| Comment(0) | TrackBack(1) | ブランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

『ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る』
Excerpt: 世界でも有数のブランド好きである我が国に住んでいる身としては、自分に興味がなくともルイ・ヴィトンなどの商品を多く見かけます。し...
Weblog: 百起夜行
Tracked: 2010-03-10 00:00
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。